大きな夢を見つけた。きっと、ワクワクするだろう。
すぐにやりたい気持ちになるかもしれない。何かしていないと不安になるかもしれない。
しかし、そういった時こそ焦らないで欲しい。いきなり変えようとしてはいけない。
なぜか?
人間にはホメオスタシス(恒常性維持機能)というものがあるからだ。
例えば、人間の体温は一定だ。多くの人は36.5℃。健康であれば気温が寒くても熱くてもこの温度にいずれ落ち着く。汗を出したり鳥肌を立てたりして。
このように人間は無意識に現状をキープしようとする働きがある。
重要なのは体温という生物学的な側面だけではない、ということだ。
年収、人間関係、セルフイメージ、などにもホメオスタシスは働いてしまうのだ。
宝くじにあたって大金持ちになった人はわかりやすい事例だろう。何億というお金を一気に失ってしまうのは、無意識に現状(=宝くじが当たる前の自分)に戻そうとするからだ。
体重も同様。いきなりダイエットして何キロも減量できたとしても、すぐに戻ってしまう人がいる。これは、無意識に現状(=痩せる前の自分)に戻そうとするからだ。
何億という年収、すばらしい人たちに囲まれている、最高の自分、どれもいきなり叶ってしまうと現状に戻ってしまう。
ではどうすればいいのだろうか?
結論はゆっくりスタートすることである。
仮に、マラソン大会で完走するというゴール設定したとする。そういった場合、初日はマラソンシューズを玄関に出すくらいで良い。
2日目はシューズを履いてみるだけ。3日目はシューズを履いてコンビニに行くまで。
このように、まずはゆっくりとシューズに慣れることからはじめる。1週間経過したらようやく軽く走る。それも数分で構わない。
これくらいゆっくりスタートする。気がついたらマラソンの練習はすっかり習慣になっている。
習慣になればやめる方が難しい。歯磨きと一緒だ。やっていないと気持ち悪い。そのようになれば、練習をすればするだけゴール達成は現実になる。
やってはいけないのが、初日から何キロも走り込むこと。慣れていないので苦痛に感じてしまうかもしれない。怪我をするかもしれない。楽しくないかもしれない。
こうなると、2日目はやらない可能性が高い。
いわゆる三日坊主というやつ。これがあるから、いきなりやってはいけないのだ。
ちなみに、私の友人でジョギングで健康になる夢を持った人がいた。彼は初日から5キロも走ってしまった。翌日、風邪をひいてしまったそうだ。
脳はカラダの体調を悪化させてまで現状(=走る習慣のない自分)に戻そうとする。
年収も全く同じだ。いきなり大きく稼ごうとしないこと。
そうではなく、毎月少しずつ稼ぎを大きくしていくことだ。
例えば年収1億とゴール設定したとする。毎月の収入は900万円ほどになる。
どうだろう?月収900万円をいきなりできるだろうか?
あるいは、いきなり900万円の仕事を依頼されたらどうだろうか?
怖いかもしれない。不安になるかもしれない。そうなれば、良いパフォーマンスはきっとでないだろう。
そうではなく、まずは副業で月収10万円を目標にしてみたらどうだろうか?であれば、月収900万円よりもハードルは低い。
年収1億を目指している人間であれば、副業で10万円くらいは余裕でやれているはずだ。
人によってはもっとハードルを下げても良い。私の場合、月収1000円から目標を設定していたくらいだ。
それでも、10年もしないうちに起業当時に「これくらいは稼ぎたい」は達成してしまった。
「ゆっくりこそ早い」
ミヒャエルエンデ著の「モモ」に出てくる名言である。
ゆっくりやれば早くゴールまでいける。自分を信じよう。
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