起業で自由をつかむために-成功率・迷走防止・サラリーマン卒業法をまとめて解説

コラム

起業の成功率と、生き残るために必要な視点

起業の現実は、意外と知られていない。
中小企業庁の「2022年版中小企業白書」によれば、日本で創業してから5年後の生存率は約48.6%。10年後には約39.7%まで下がる。つまり、半分以上が5年以内に姿を消している。

ただし、すべての業種が一律に厳しいわけではない。
帝国データバンクの調査によれば、たとえば建設業・製造業は比較的高い生存率を維持している一方で、飲食業や宿泊業、サービス業は開業後数年で撤退するケースが多いとされる。

そんな中で、私がお勧めしたい業種。それは、ITやWebなどの情報通信系ビジネスだ。
詳細な内容別の生存率データがあるわけではないが、私自身がITで起業して今も続けられていること、そしてまわりのIT系・情報系の起業家仲間たちが皆、10年近く、あるいはそれ以上にわたって活動を続けていることからも、一定の生存率の高さを実感している。

この業界の特徴として、固定費が圧倒的にかからない点があげられる。PCさえあればできてしまうものもある。事務所も不要。まずは自宅でスタートすればいい。かつての私もそうだった。

また、外注によって仕組み化しやすい点が挙げられる。
PCだけで完結する仕事が多いため、オンラインで在宅のママさんたちと連携して業務を回している人もいる。

結論から言えば、起業の難易度は「業種と構造」でほぼ決まる。
努力やセンスの前に、どんな土俵で勝負するか。そこを間違えないことが、何より大切だ。

ここさえ間違えなければ、大袈裟に聞こえるかもしれないが、あまり才能は関係ない。これは本当である。事実、とあるウェブサイト開発のビジネスを手掛けている社長は、HTMLもわからないレベルだ。

しかし、会社は10年以上も継続している。固定費はかからず、優秀な外注(システム開発)と提携しているため、サイト設計の才能は必要ないのだ。

自由を得たあとに待っていた“空白”

自由になりたかった。
時間に縛られず、場所に縛られず、ストレスのない生き方。
サラリーマンの私は、それが“ゴール”だった。

そんなとき、たまたまコンビニで一冊の本に出会った。
20代にしておきたい17のこと』(本田健 著)。
目を通してすぐに、「これは全部やろう」と決めた。

実際に行動を重ねる中で、やはり「このままサラリーマンではだめだ」と気づいた。
書籍に書かれていた通り、“師匠を見つけよ”という教えを実践し、何人にも会いに行った。

そしてようやく、心から学びたいと思える師匠と出会うことができた。

それからの私は、会社員である間にできる限りのことを学んだ。
そして29歳を目前にしたある日、思い切って起業を決めた。

起業して3〜5年。気づけばそのゴールはすべて手に入っていた。
時間も、お金も、仕組みも。

けれど、心はなぜか満たされなかった。
むしろ、空っぽだった。

ゴールがなかったのだ。
もう「これがやりたい」と思えるものがない。
その結果、妙な空白が心に広がっていった。

自由とは、単なる解放ではない。
何のために生きるのか──その軸を失うと、たちまち虚無に飲み込まれる。

自由なのに満たされない──その理由とは

快楽ループと承認欲求の罠

自由を手に入れたはずなのに、なぜか“インスタントに手に入る刺激”に流されがちになる人が多い。
夜の街、異性関係など、手っ取り早くドーパミンが得られるものへ、つい足が向いてしまうのだ。

特に、もともとコンプレックスや劣等感をバネに起業した人ほど、その反動で“モテ”や“承認”に走る傾向がある。
成功して地位やお金を得たあとに、「これで満たされるはず」と思って行動する。けれど、その先にあるのは、また別の空白だったりする。

たとえば、最近では有名起業家の与沢翼氏も、覚醒剤の使用を告白している。
自由な時間とお金が増えると、脳は「もっと手軽に」「もっと強い刺激を」と求めるようになる。

そんな「隙」につけ込んで、誘惑やトラップを仕掛けてくる人たちが寄ってくる。
自由を得たはずの自分自身が、知らず知らずのうちに別の不自由や破滅に引き込まれてしまう。

だからこそ、自分の内側に「守る武器」を持っておくことが必要なのだ。

私自身が迷い込んだ、2つの承認欲求体験

私にも覚えがある。たとえばトライアスロン。
最初は健康や体力づくりのつもりだった。だが、どこかで「自分をすごいと言わせたい」気持ちがあった。「ビジネスだけじゃなく、身体もストイックに鍛えてますよ」と。

でも、それは趣味ではなかった。
苦しいのにやめられない。楽しくないのに走ってしまう。まるで修行のようだった。
そして、ある日ふと思った。「誰に見せているんだろう?」と。

もうひとつ。会社を仕組み化したあと。現場の責任者に仕事を任せていたが、気づけば自分が口を出したくなっていた。自分で仕事をしたくなっていた。
「自分がいないと回らない」と証明したかったのかもしれない。

現場からすれば、これほど迷惑なことはない。自分より仕事ができないオーナー社長が、我が物顔で仕事を奪っていったら?お客さんに迷惑どころではない。不愉快かつ怒りの感情しかないだろう。

これも、承認欲求の表れだった。

私も危うかった。だからこそ言える。
「承認欲求は、気づかぬうちに自分をマイナスに動かしていることがある」と。

自分を満たす、本物の趣味を見つけるということ

では、何が自分を守るのか?
それは、「誰のためでもない、本物の趣味」だった。

たとえば、ゲーム。ドラクエ、ラストオブアス、ゴーストオブツシマ。物語の中で心が動く。

葉巻やパイプ。火をつけて、ゆっくり味わう。ただそれだけの時間が、深く満たしてくれる。スマホを見ない静けさが、贅沢だった。

時計。完全に沼。でもそれがいい。すでに10本近く買ってしまったが、毎月のようにほしい時計が出てくる。
自転車、ドライブ、ドラマ、読書、カラオケ、ライブ。
全部、誰にも見せなくていい。私だけが楽しい。それが“本物の趣味”だった。

本物の趣味には、他人の視線がない。承認も、比較も、目標もない。
ただ純粋に「楽しい」がある。それが、自由を壊さない唯一の道だった。

“次のゴール”が心の中から生まれてくる

ひとりの時間に満たされてくると、静かに「次のゴール」が湧いてきた。
「これもやってみたいな」「こういう世界があったらいいな」──。意図的に考えたわけじゃない。自然と、内側から出てきた。

最初のゴール(自由を得る)は達成した。ならば、次のゴールを探せばいい。
しかも、複数あってもいい。

その考え方を支えてくれたのが、私が学んできたコーチング理論だった。

複数ゴールが人生を豊かにする【コーチング理論の視点】

あらためて思い出した。
ルー・タイス氏や苫米地英人氏が提唱しているコーチング理論でも、ゴールは複数、そしてジャンルもさまざまであるべきだとされていた。

けれど、当時の私は「自由を得る」という一つのゴールだけを追いかけていた。
それが叶った瞬間、心にぽっかりと空白が生まれたのは、ある意味当然だったのかもしれない。

人生には、さまざまな軸がある。
お金。仕事。趣味。健康。学習。社会貢献。家族。友人。パートナー。リーダーシップ。

どの分野においても、「こうなったらいいな」と思える未来を持っていい。
そしてそれは、固定されている必要もない。変わっていい。進化していい。年齢や経験とともに自然に変化するのが、むしろ健全だ。

コーチング理論では、「でかすぎるゴールを複数持て」と教わる。
それは、脳を最適に活性化し、行動や情報の選び方すら変える強力な働きがあるからだ。

これは想像以上にパワフルで効果的だ。ぜひ、あなたも定期的に見直してほしい。

ゴールは語らない──コーチング理論の核心

実のところ、私の中には“想像を超える未来”がすでに浮かんでいる。
ただ、それは誰かに語るものではない。

コーチング理論──ルー・タイス氏や苫米地英人氏の教えには、こういう教えがある。
「ゴールとは他人に話すものではなく、自分だけの内側に持ち続けるもの」

要するに人に言ってはいけない。誰にも言わずに自分の中で熟成させる。

机の前に「〇〇大学合格!」と、紙に書いてもいけない。見ればみるほど義務になる。やりたくなくなる。

よくよく考えれば、「本当にやりたいこと」「楽しいこと」なんて、わざわざ誰かに言わないし、紙に書いたりしない。普通のことなのに、我々現代人には難しいことだったりする。

ちなみに、私の未来はもうこちらに向かってきている。
ゴールは時間が経てば、やがて現実になってしまう。
だからこそ、叶う前に、さらに大きなゴールへと更新し続けることが大切だ。

ある意味で、ゴールは“叶えてはいけないもの”でもある。
本当のゴールは、常に自分を超えさせてくれる未来であり続けるべきだからだ。

自由と価値観でつながる場としての一心荘

自由と価値観でつながれる場所。お金でも成果でもなく、「思い」で語れる仲間たちと過ごせる場所。

そんな想いから「一心荘」を立ち上げた。
まだ小さな場所。でも、静かに共鳴してくれる人が集まりはじめている。

自由とは、ひとりで戦うことではない。
誰にも縛られず、それでいて孤独にもならない。
その両立こそが、成熟した自由だと思う。

そして、それはとても美しい生き方だ。

一心荘という場に、共鳴するものがあれば

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
もし、あなたの中にも「自由とは何か」「本当の豊かさとは何か」を静かに考える時間があったなら。
そして、その問いを誰かと分かち合いたいと感じたなら──

一心荘は、そんな想いを持つ人が、静かに集まる場所です。
小さな場ですが、価値観や哲学を大切にする仲間たちと、肩の力を抜いて語り合える空間を目指しています。

一心荘では、毎月開催の対話会やセミナー、限定記事を通じて、自由と価値観を深める実践をしています。

仲間を選ぶように、場も選んでほしい。
そして、もし共鳴するものがあれば、ぜひ一度のぞいてみてください。

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