とてもおもしろかった。
東洋哲学のエッセンスをざっくり理解できる。
最近、こういう「むずかしい内容をクスッと笑える」ように仕上げてくれる本が増えているような気がする。
これは大変ありがたい。
こういうタイプの本が増えていけば、人類にとって重要な考えが広まる。
これからも、おもしろい著者が増えてほしい。
以前、こちらの記事でも紹介した本も笑ってしまった。
専門書がないと深まらないが、入門書がないと広まらない。
本書は、どんな人でもさくっ読める最適な入門書だと思う。
(※ちなみに、私は喫茶店で本書を読んでいて普通に声を出して笑ってしまった。読む場所は注意していただきたい)
さて、本書の大きなポイントは、東洋哲学を学ぶ目的をハッキリさせていることだ。
ずばり悩みから楽になること。
悩みや不安は常に人間が抱えるものだ。
昔は、食べ物がないなどのレベルだったが、現代になって飢えを克服しても様々な悩みがある。
現代は現代なりの辛さや苦しさがある。
そんな心のモヤモヤを解消することに役立つのが東洋哲学である。
本書では、哲学者であるインドの釈迦、中国の老子なども登場するし、僧である空海、親鸞も紹介されている。
彼のメッセージを受け取って、今の悩みを減らしてみてはいかがだろう?
ちなみに、インドの釈迦が悟ったと言われている「縁起」の思想や、その後、龍樹という天才が要約した「空」という概念は、知っておいて損はしない。
本書のタイトル通りだが、自分なんてない。
だから、今ある悩みも、実はウソだ。
もっと言えば、「自分はこういう人間だ」と、思っていることも勘違いの可能性がある。
だからどんな人間にもなれるはずなのだ。
ぜひぜひ読んでみていただきたい。
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